アジアオリンピック(第3回アジア大会東京)金メダリスト松王清志
第三章 大阪合繊延縄株式会社に就職
Part.7 東南アジア武者修行の旅 インド カルカッタ
episode 1
ニューデリーから アムリツアールに到着し、この地方に唯一のホテルである。アムリツアールホテルに私は泊まりました。勿論、冷房など無く、一晩中扇風機が無気力に回転していて、暑い空気をかき混ぜているだけでした。たまらなくなってバスに飛び込みシャワーの水を体に浴びせると、水はお湯と化しているのですから、全く気が遠くなるような日中を過ごしていました。こうして困っている私に、ミスターカングリーはビッグニュースを聞かせてくれた。それはベッドの上に水を撒いて、その上に寝ることでした。(ベッドは牛皮のハンモックタイプ)水が蒸発するとき体内の熱も一緒に取り払ってくれるのです。余りいい気持ではありませんが、これで暑さを凌ぐことが出来ました。
episode 2
暑さとホームシックをミックスした私のイライラを救ってくれたのは、ホテルのお嬢さんでした。イギリスで学んだインテリガールでプラス美女ときていましたからご機嫌になります。その名もミス・ローズ。夕焼けの空はオレンジカラーに映え、グリーンの芝生に美しいコントラストを描き出しています。広い芝生に置かれた象牙の白いテーブル。銀のカップになみなみと注がれたシャンペーン。チキンの丸焼き。小さな蜂雀が戯れ、鸚鵡(オウム)が我々を冷やかし、小リスが我々を歓迎してくれています。子供の時代に読んだイソップ童話そのもの光景が目の前に広がっています。これは猛暑で息も絶え絶えになった、日中の反動なのでしょうか、チェス(乾杯)の数が多くなり、食欲が増すにしたがって、南国の夜空が輝いてきます。蛍が飛んで来て、鳥が鳴いています。ちょっとホームシックだったせいか、それは日本の光や声と同じように思えてきました。
episode 3
大理石のコートで、大観衆の中でエキサイティングなゲームの連続でした。試合後に私の応援をしてくれた彼女に、全知全能を振り絞って言いました。シェイクスピア曰く「SILENCE、SILENCE,SILENCE・・・」 時たまガスライターの炎がこの沈黙を破り、美しい彼女の顔を見せるだけでした。「お休みなさい」 と私が差し伸べた手を払って彼女は言いました。イングリッシュスタイルのお休みなさいを欲する」と・・・何故、私の母はイングリッシュスタイルのお休みなさいを教えてくれなかったのか・・・ 残念でたまりませんでした。
Part.8 東南アジア武者修行の旅 パキスタン カラチ
episode 1
協会長はじめ、2,000人の観衆の前でゲームをする予定です。ゲームの前のトレーニングに、アラビア海の海岸を走りましたが、日本で言う中秋の名月であったのでしょう、大きな月がアラビカ海のホークス湾を美しく輝かしていました。月に見とれ潮風を嗅ぎながら、遠くの日本を思い出していると、道端の穴に脚をとられてしましました。5cmくらい切ってしまい、傷はザックリと割れていましたので、到底ゲームが出来る状態ではありませんでしたが、ハンカチで力いっぱい縛り上げて出場しました。
episode 2
「KIYOSHI!KIYOSHI!」と床に足ふみしながら応援してくれたイングリッドバーグマンにそっくりだったイギリス大使館の奥様が立ち上がって「JAPANESE!JAPANESE!」と応援してくれたのには感激しました。